瑣末
「雨は好きですか?嫌いですか?」
と聞かれたら、その二者は選ばず
「嫌だけど嫌いじゃない」
と答える。
朝方、通学時間にどっと降る雨は好きじゃない。特に、時間のない日は好きじゃない。
焦りが多くなって、「どうでもいいや」という気持ちから、些細な事を気にしなくなる。
言葉、行動、その小さな一つ一つなどに目を向けず、とにかく焦りの根元に対しての執着心が多くなる。
だから雨は嫌だ
午後、学校から帰る時間帯あたり、虹がよく見えたらしい。それも綺麗な虹
些細な事なんてどうでもよくなるような、気持ちになった。
同じ雨が齎す「どうでもいい」の感情
ズボンに跳ねた水、濡れた靴下
虹は綺麗だった。ただ、それだけ
だから雨は嫌いになれない